お問い合わせ
はこちら

トピックス

Topics

実務対応報告公開草案第52号「従業員等に対して権利確定条件付き有償新株予約権を付与する取引に関する取扱い(案)」等の公表(平成29年5月10日 企業会計基準委員会)

 近年、企業がその従業員等に対して新株予約権を付与する場合に、当該新株予約権の付与に伴い当該従業員等が一定の額の金銭を企業に払い込む取引が見られています。当該取引に関する会計処理の取扱いは必ずしも明確ではなかったことを受けて、同委員会では、当該新株予約権を発行する企業の会計処理について審議を行っていました。
 今般、平成29年4月28日開催の第359回企業会計基準委員会において、以下の実務対応報告等の公開草案(以下「本公開草案」という。)の公表が承認され、同日公表されました。

・実務対応報告公開草案第52号
 「従業員等に対して権利確定条件付き有償新株予約権を付与する取引に関する取扱い(案)」
・企業会計基準適用指針公開草案第57号(企業会計基準適用指針第17号の改正案)
 「払込資本を増加させる可能性のある部分を含む複合金融商品に関する会計処理(案)」

<概要>
 以下の概要は、コメントをお寄せ頂くにあたっての便宜に資するため、本公開草案の内容を要約したものです。コメントをお寄せ頂く際には、より正確な検討のために本公開草案をお読みくださいますようお願い申し上げます。

●範囲(実務対応報告公開草案第2 項)
 実務対応報告公開草案は、企業がその従業員等に対して権利確定条件が付されている新株予約権を付与する場合に、当該新株予約権の付与に伴い当該従業員等が一定の額の金銭を企業に払い込む取引(当該取引において付与される新株予約権を「権利確定条件付き有償新株予約権」という。以下同じ。)を対象とする。

●適用する会計基準(実務対応報告公開草案第4 項)
 従業員等に対して実務対応報告公開草案の対象となる権利確定条件付き有償新株予約権を付与する場合、当該権利確定条件付き有償新株予約権は、企業会計基準第8 号「ストック・オプション等に関する会計基準」(以下「ストック・オプション会計基準」という。)第2 項(2)に定めるストック・オプションに該当するものとする。

●会計処理(実務対応報告公開草案第5 項から第8 項)
・従業員等に対して権利確定条件付き有償新株予約権を付与する取引についての会計処理は、基本的にストック・オプション会計基準第4 項から第9 項に準拠した取扱いを定めている。具体的には次のように行う。

権利確定日以前の会計処理
(1) 権利確定条件付き有償新株予約権の付与に伴う従業員等からの払込金額を、純資産の部に新株予約権として計上する(実務対応報告公開草案第5 項(1))。
(2) 各会計期間における費用計上額として、権利確定条件付き有償新株予約権の公正な評価額から払込金額(上記(1)参照)を差し引いた金額のうち、対象勤務期間を基礎とする方法その他の合理的な方法に基づき当期に発生したと認められる額を算定する。当該権利確定条件付き有償新株予約権の公正な評価額は、公正な評価単価に権利確定条件付き有償新株予約権数を乗じて算定する(実務対応報告公開草案第5 項(3))。
(3) 権利確定条件付き有償新株予約権の公正な評価単価は付与日において算定し、ストック・オプション会計基準第10 項(1)に定める条件変更の場合を除き見直さない(実務対応報告公開草案第5 項(4)①)。
(4) 権利確定条件付き有償新株予約権数の算定及びその見直しによる会計処理は、次のとおり行う(実務対応報告公開草案第5 項(5))。
① 権利確定条件付き有償新株予約権数は、付与日において、付与された権利確定条件付き有償新株予約権数(以下「付与数」という。)から、権利不確定による失効の見積数を控除して算定する。
② 付与日から権利確定日の直前までの間に、権利不確定による失効の見積数に重要な変動が生じた場合、これに伴い権利確定条件付き有償新株予約権数を見直す。見直し後の権利確定条件付き有償新株予約権数に基づく権利確定条件付き有償新株予約権の公正な評価額から払込金額(上記(1)参照)を差し引いた金額のうち合理的な方法に基づき見直しを行った期までに発生したと認められる額(上記(2)参照)と、これまでに費用計上した額との差額を、見直しを行った期の損益として計上する。
③ 権利確定日には、権利確定条件付き有償新株予約権数を権利の確定した権利確定条件付き有償新株予約権数に修正する。修正後の権利確定条件付き有償新株予約権数に基づく権利確定条件付き有償新株予約権の公正な評価額から払込金額(上記(1)参照)を差し引いた金額と、これまでに費用計上した額との差額を、権利確定日の属する期の損益として計上する。
(5) 新株予約権として計上した払込金額(上記(1)参照)は、権利不確定による失効に対応する部分を利益として計上する(実務対応報告公開草案第5 項(6))。

権利確定日後の会計処理
(6) 権利確定条件付き有償新株予約権が権利行使され、これに対して新株を発行した場合、新株予約権として計上した額のうち、当該権利行使に対応する部分を払込資本に振り替える(実務対応報告公開草案第6 項(1))。
(7) 権利不行使による失効が生じた場合、新株予約権として計上した額のうち、当該失効に対応する部分を利益として計上する。この会計処理は、当該失効が確定した期に行う(実務対応報告公開草案第6 項(2))。

・実務対応報告公開草案に定めのないその他の会計処理については、ストック・オプション会計基準及び企業会計基準適用指針第11 号「ストック・オプション等に関する会計基準の適用指針」(以下「ストック・オプション適用指針」という。)の定めに従う(実務対応報告公開草案第8 項)。

●開示(実務対応報告公開草案第9 項)
 従業員等に対して権利確定条件付き有償新株予約権を付与する取引に関する注記は、ストック・オプション会計基準第16 項及びストック・オプション適用指針第24 項から第35 項に従って行う。

●適用時期等(実務対応報告公開草案第10 項)
 本実務対応報告の適用時期等に関する取扱いは、次のとおりとする。
(1) 本実務対応報告は、公表日以後適用する。
(2) 上記(1)の定めにかかわらず、公表日より前に従業員等に対して権利確定条件付き有償新株予約権を付与した取引については、本実務対応報告の会計処理によらず、従来採用していた会計処理を継続することができる。この場合、当該取引について次の事項を注記する。
① 権利確定条件付き有償新株予約権の概要(各会計期間において存在した権利確定条件付き有償新株予約権の内容、規模(付与数等)及びその変動状況(行使数や失効数等))
② 採用している会計処理の概要

(企業会計基準委員会 ホームページ
 https://www.asb.or.jp/jp/accounting_standards/exposure_draft/y2017/2017-0510.html

その他の新着情報はこちら

2020年5月11日
「新型コロナウイルス感染症に関連する監査上の留意事項(その5)」の公表について (2020年5月8日 日本公認会計士協会)
2020年5月11日
IASB公開草案「covid-19に関連した賃料免除(IFRS第16語修正案)」に対するコメント (2020年5月8日 企業会計基準委員会)
2020年5月11日
国際評価基準審議会(IVSC)公開草案「国際評価基準(IVS)230 棚卸資産」に対するコメントの提出について(2020年5月8日 日本公認会計士協会)
2020年5月11日
IASBがcovid-19によりIAS第1号の修正の発効日の延期を提案 (2020年5月8日 企業会計基準委員会)
2020年5月11日
国際会計士倫理基準審議会(IESBA)公開草案「非保証業務に係るIESBA倫理規程改訂案」に対する意見について(2020年5月7日  日本公認会計士協会)