お問い合わせ
はこちら

トピックス

Topics

平成24年3月期 留意点① 未適用の会計基準等に関する注記

過年度遡及の会計基準で、「未適用の会計基準等に関する注記」が定められました。

これは、既に公表されているものの、未だ適用されていない新しい会計基準等がある
場合には、一定の注記をしなければならないというものです。

当期末において、実務上どのように対応するのか、Q&A形式にしてみました。

 

~参照基準~
企業会計基準 第24号 「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」(平成21年12月14日
企業会計基準委員会) 第12項、第51項 、
企業会計基準適用指針 第24号 「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準の適用指針」
(平成21年12月14日 企業会計基準委員会) 第11項

 

 

————————————————————————————-

 

Q1.どのような項目について、注記しなければならないのでしょうか?
Q2.平成24年3月期決算において、該当することとなる会計基準等は何でしょうか?
Q3.連結財務諸表のみで必要なのでしょうか?個別財務諸表でも必要でしょうか?
Q4.注記開示の事例はありますか?
Q5.当社に関係のない会計基準であった場合は、注記不要でしょうか?
Q6.決算日後に公表された会計基準についても注記が必要となるのでしょうか?
Q7.会社法の計算書類においても、この注記は必要となるのでしょうか?

 

————————————————————————————-

 

Q1.どのような項目について、注記しなければならないのでしょうか?

A1.以下の項目につき、注記が必要となります。

 

———————————————–

 

① 新しい会計基準等の名称および概要
② 適用予定日(早期適用する場合には早期適用予定日)に関する記述
③ 新しい会計基準等の適用による影響に関する記述

 

———————————————–

 

② 「適用予定日に関する記述」について
適用時期について、財務諸表の作成時点では未だ経営上の判断を行っていない場合には、
その旨を注記することになります。

 

③ 「新しい会計基準等の適用による影響」について
財務諸表の作成時点で、未適用の新基準の影響を定量的に把握するのは通常は困難な場
合も多いかと思われます。その場合には、定性的な情報を注記することになります。
なお、財務諸表の作成時点において、未だその影響について評価中であるときは、その事
実を記載することで足りるとされています。

 

 

Q2.平成24年3月期決算において、該当することとなる会計基準等は何でしょうか?

A2.現時点では、以下の会計基準等につき、注記が必要になるものと考えられます。

 

———————————————–

 

・企業会計基準 第22号 「連結財務諸表に関する会計基準」(平成23年3月25日改正)
・企業会計基準適用指針 第15号 「一定の特別目的会社に係る開示に関する適用指針」
(平成23年3月25日改正 ただし、 同適用指針第4-4 項の対象となる改正を除く)
・企業会計基準適用指針 第22号 「連結財務諸表における子会社及び関連会社の範囲
の決定に関する適用指針] (平成23年3月25日改正)

・実務対応報告 第20号 「投資事業組合に対する支配力基準及び影響力基準の適用に関する実務上の取扱い」

(平成23年3月25日改正)

 

———————————————–

 

上記により、主に特別目的会社に係る改正が行われています。
☆強制適用時期:    平成25 年4 月1 日以後開始する連結会計年度の期首から
☆早期適用可能時期: 平成23 年4 月1 日以後開始する連結会計年度の期首から

 

 

Q3.連結財務諸表のみで必要なのでしょうか?個別財務諸表でも必要でしょうか?

A3.連結財務諸表で注記を行っている場合には、個別財務諸表での注記は不要と
なります。

 

 

Q4.注記開示の事例はありますか?

A4.IFRSにおいては以前から開示が求められているので、前期にIFRS ベースで作
成された有価証券報告書が一つの参考になると考えらえます。

 

【参考事例: HOYA株式会社の平成23年3月期の有価証券報告書(IFRSベース)】

未適用の公表済み基準書及び解釈指針

連結財務諸表の承認日までに主に以下の基準書及び解釈指針の新設又は改訂が公表されておりますが、当連結会計年度(平成23年3月期)以前に強制適用されるものではなく、当社グループでは早期適用しておりません。

~中略~
当社グループは、上記すべての基準書及び解釈指針を上記に示した適用時期の連結財務諸表に反映いたします。
これらの適用の潜在的な影響の具体的な検討を開始しておりませんが、IFRS第9号を除き、これら未適用の基準書等で当社グループの連結財務諸表に重要な影響を及ぼすものはないと判断しております。

 

 

Q5.当社に関係のない会計基準であった場合は、注記不要でしょうか?

A5.重要性がなければ、注記しないことも可能です。

 

未適用の会計基準等に関する注記について、重要性の乏しい場合には、注記を省略できるとされています。(財務諸表等規則 第8条の3の3)。

従って、平成24年3月期ではQ2のとおり「連結財務諸表に関する会計基準」など(特別目的
会社に係る改正)が注記対象となりますが、当期末時点で特別目的会社が存在しない(かつ見込がない)ため、当該会計基準が適用されないと予想される会社の場合には、注記の省略は可能と考えられます。
ただし、将来の基準適用・不適用の判断は必ずしも容易ではないため、記載した上で、影響
等については定性的な記述にとどめるといった対応も可能と考えられます。

 

 

Q6.決算日後に公表された会計基準についても注記が必要となるのでしょうか?

A6.必要ありませんが、任意開示は可能です。

 

原則として、決算日までに新たに公表された会計基準等について注記を行うこととされています。
なお、決算日後に公表された会計基準等についても、任意に注記を行うことは可能です(この
場合は、いつの時点までに公表された会計基準等を注記の対象としたかを記載することになります。

 

 

Q7.会社法の計算書類においても、この注記は必要となるのでしょうか?

A7.会社計算規則では特に規定されていませんが、任意に注記を行うことは可能です。

会社計算規則は平成23年3月31日付で改正がなされていますが、会社計算規則第98条
「注記表の区分」の項目には、「未適用の会計基準等に関する注記」について、特に記載はされていません。

よって、会社計算規則第116条 「その他の注記」(企業集団の財産又は損益の状
態を正確に判断するために必要な事項)として、任意に注記するかどうかを検討することになり
ます。
よって、「退職給付に関する注記」や「減損損失に関する注記」などのように会計基準等で注
記すべきとされている事項や、有価証券報告書提出会社が有価証券報告書で開示する事項と同様に、

各社で重要性を勘案のうえ、記載することになります。

 

以上

その他の新着情報はこちら

2021年11月18日
定期採用面接の申込みを開始します
2021年11月11日
「「監査上の主要な検討事項」の強制適用初年度(2021年3月期)事例分析レポート」の公表について (2021年10月29日 日本公認会計士協会)
2021年11月11日
「監査基準委員会報告書580「経営者確認書」の改正について」(公開草案)の公表について (2021年10月18日 日本公認会計士協会)
2021年11月11日
「「その他の記載内容」に関する監査人の作業内容及び範囲に関する留意事項」の公表について (2021年10月13日 日本公認会計士協会)
2021年10月13日
「監査品質に関する報告書 2021」を掲載いたしました